アニサキス症のセルフチェック
- ・みぞおちのあたりに強い痛みを感じる
- ・嘔吐することがある
- ・強い吐き気を感じる
- ・お腹の張りを感じる
- ・おなら・便が出にくい時がある
これらの症状がある方は、アニサキス症(アニサキスに寄生されて異変が生じている)である可能性があります。また、アレルギーやアナフィラキシーショックなどの可能性もあるため、早めに医療機関を受診することをお勧めいたします。
アニサキス症とは?
アニサキス症とは、アニサキスというサバやアジなどの魚介に寄生する寄生虫が、人体に入ることにより急な腹痛を引き起こされる疾患です。日本では、お刺身やお寿司などの海産魚介類の生食をする食習慣があるため発生件数が多い疾患です。
アニサキス症の症状・治療法
アニサキス症の症状は、体内のどこに穿入(入り込むこと)したかで症状が異なります。
胃・腸アニサキス症
胃・腸に穿入した場合、食後数時間で激しい腹痛、嘔吐、悪心が発症します。また、腸に穿入した際には、稀に腸閉塞や腸穿孔を併発することもあります。
胃アニサキス症の治療法は、胃内視鏡用の鉗子(ハサミ状のもの)でアニサキスを掴み、体外へ摘出します。
大腸アニサキス症の場合は、内視鏡で摘出することが困難なケースが多いため、内服薬や点滴で症状を緩和させます。
消化管外アニサキス症
稀ではありますが、アニサキスが消化管を突き破り、腸管膜などで肉芽腫を形成することがあります。この場合は寄生した部位により異なる症状が起こります。
消化管外アニサキス症の治療法は場所により異なりますが、腸閉塞や腸穿孔の場合は手術が必要になります。
アニサキスアレルギー
アニサキスに対するアレルギー反応です。感染すると蕁麻疹や血圧低下、呼吸不全、意識消失などの症状を伴うことがあります。また、アニサキスは国内のアナフィラキシーショックの発生原因となる頻度が第3位であることから注意が必要な症状であることが分かります。
アニサキスアレルギーの治療法は、軽度の場合は抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を使い、症状が強い場合はステロイドを使用し症状を緩和させます。
アニサキス症の症状はどのくらい続く?
アニサキス症は、アニサキスが胃液により長くても4〜7日程度で死滅するため同時に症状も治まります。しかしながら、重症化して腸閉塞や腸穿孔を引き起こす可能性もあるため、なるべく早いタイミングで受診するようにしましょう。
アニサキス症の検査方法
アニサキス症の検査方法は、寄生が疑われる部位により行われる種類が変わりますのでいくつかの検査方法をご紹介いたします。
胃・大腸内視鏡検査
胃アニサキス症が疑われる場合、緊急で胃カメラ検査を行い胃粘膜に穿入したアニサキスを摘出することができます。また、腸アニサキス症の場合も稀ではありますが、大腸カメラ検査を行い摘出するケースもあります。
当院では、鎮静剤を使用して苦痛の少ない内視鏡検査を行っておりますので、安心してご受診ください。
腹部超音波検査(エコー検査)
エコー検査は身体の表面に超音波プローブ(超音波の出る機械)をあて、体内の臓器からはね返ってくる超音波を画像として映し出すことができる検査です。
小腸にアニサキスが寄生している可能性があると判断された場合に行われます。
血清抗体検査
血清抗体検査は、腸アニサキス症や消化管外アニサキス症が疑われる場合に行われる検査です。血液を採取して抗アニサキス抗体を調べる検査です。
アニサキス症でお困りの方は当院までご相談ください
アニサキス症は、国内の食中毒の発症原因3位になるほど頻繁に起きている疾患です。ひどい腹痛や重症化して腸閉塞や腸穿孔だけでなく、アニサキスに対するアレルギー反応によるアナフィラキシーショックなどが起こる可能性もありますので、アニサキス症を疑う症状があるかたはお気軽に当院までご相談ください。