このような症状はありませんか?
- ・急に便秘になった
- ・便秘や下痢を繰り返す
- ・便秘の治療をしても、なかなか改善しない
- ・発熱の症状がある
- ・急に体重が減少した
- ・血便が出た
便秘とは
便秘とは「本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」のことを言います。国民生活基礎調査によると、日本における便秘の有訴者率は男性2.5%、女性 4.6%で、20~60歳では圧倒的に女性が多く、60歳以降は男女とも加齢に伴って増加しています。
便秘の種類
便秘には以下のような種類があります。
- ①器質性便秘
- 腸管が狭くなったり、腸が運動障害を起こしたりすることが原因で便秘症になります。元の病気をしっかりと特定し治療を行う必要があります。
- ②機能性便秘
- 生活習慣やストレスによる腸、肛門の働きの乱れが原因で便秘症になります。機能性便秘はその中でも弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘という種類があり、それぞれに合った適切な治療を行います。
- ③薬剤性便秘抗
- 薬の副作用によって大腸の蠕動運動を抑制され、便秘症になる場合があります。主にうつ薬、抗コリン薬、咳止め薬などが挙げられます。
便秘の原因
便秘の原因は主に以下の4つが考えられます。
- ①生活習慣の乱れ
- 食生活の乱れや運動不足などの不規則な生活習慣は便秘を引き起こします。
- ②ストレス
- ストレスを感じると、自律神経が乱れることによって腸の活動機能が低下し便秘を引き起こします。
- ③お薬の影響
- 薬の副作用により便秘が引き起こされる場合があります。抗うつ剤やカルシウム拮抗薬、抗コリン剤などが挙げられます。
- ④腸の疾患
- 大腸がんや過敏性腸症候群などの腸疾患が原因で、その症状として便秘が引き起こされる場合があります。
便秘症で合併しやすい病気
排便時に無理やり便を出そうと力むと肛門周辺部が傷ついてしまいます。そうすると以下のような疾患を合併してしまう可能性があります。
- ・痔核(いぼ痔)
- ・裂肛
- ・憩室性疾患
- ・直腸脱 など
便秘の診断
ローマⅣ診断基準を用いて便秘の診断を行います。
慢性便秘症の診断基準
- 1.「便秘症」の判断基準
- 以下の6項目のうち、2項目以上を満たす
a.排便の4分の1超えの頻度で、強くいきむ必要がある。
b.排便の4分の1超えの頻度で、兎糞状便または硬便(BSFSでタイプ1か2)である。
c.排便の4分の1超えの頻度で、残便感を感じる。
d.排便の4分の1超えの頻度で、直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある。
e.排便の4分の1超えの頻度で、用手的な排便介助が必要である(摘便・会陰部圧迫など)。
f.自発的な排便回数が、週に3回未満である。 - 2.「慢性」の診断基準
- 6ヶ月以上前から症状があり、最近3ヶ月間は上記の基準を満たしていること。
便秘の治療
治療法は大きく以下のように分けられます。
- ①食事・栄養指導
- 便が大腸を通過する時間が正常にもかかわらず排便回数や排便 量が少ない大腸通過正常型便秘症は、食物繊維摂取不足が原因であることが多くあります。よって食物繊維が多く含まれる食事をとると症状が改善します。適正量の食物繊維を摂取することが困難な場合は、膨張性下剤などを使用する場合もあります。
- ②薬物療法
- 上記の食事・生活・排便習慣の指導でも症状が十分 に改善しない便秘症は、大腸通過遅延型 便秘症である可能性が高いです。このような便秘症に対しては下剤等による薬物療法を行います。
心当たりのある方は当院までご相談下さい
少しでも気になる症状がある方はお気軽に当院までご相談下さい。